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2019.11.13

  • Interview

AC部と語る20年〜更新され続ける最盛期〜|DIRECTIONS代表 長江 努対談企画 第1弾 ゲスト『AC部』#04

AC部と語る20年〜更新され続ける最盛期〜|DIRECTIONS代表 長江 努対談企画 第1弾 ゲスト『AC部』#04

DIRECTIONS代表 長江 努の社長対談企画 第1弾のゲストは『AC部』ー
2000年にNHK BSで放送が始まった『デジタル・スタジアム』で出会って以来、
20年の付き合いになるというAC部。これまでを振り返りながら、
この3人だから語り合える話を全4回に分けてお届けしてきましたが、今回でついに最終回!


Profile

AC部
1999年に結成された安達 亨さんと板倉 俊介さんによるクリエイティブチーム。
多摩美術大学時代に制作した「ユーロボーイズ」がNHKデジタルスタジアム年間グランプリを受賞したのをきっかけに本格的に活動を開始。暑苦しいリアルなイラストレーションをベースにした濃厚でハイテンションな表現を持ち味とし、テレビ、CM、PV、webなど、様々な場所にインパクトのあるビジュアルを植え付ける。
2019年度より、京都造形芸術大学客員教授に就任。
AC部コミュニティサイトhttp://www.ac-bu.info/

長江 努
1964年生まれ。ディレクションズ代表。
番組プロデューサーとしてNHK『デジスタ』『ビットワールド(天才ビットくん)』『シャキーン!』などを立ち上げる。国際エミー賞グランプリ受賞の『星新一ショートショート』(2009)ではアニメ話数を全体プロデュース。その後も『イヴの時間』『こびと観察入門』から『舞台ひらがな男子』『妖怪!百鬼夜高等学校』などアニメから舞台まで幅広くプロデュース。また、共同で開発したスマホ用ガジェット『i3DG/Palm Top Theater』は2010年のアルス・エレクトロニカにて入選を果たしている。

 


【目次】
1.20年を振り返って
2.「もっと売れたい」AC部が目指す映像作家って?
3.ディレクションズHPイラストの制作秘話


 

20年を振り返って


 

AC部結成15周年の個展『部室大公開』
2015年に行われたAC部結成15周年の個展『部室大公開』
右から板倉さん、長江、安達さん、AC部初期メンバー安藤さん

長江:今回、改めて20年を振り返ってみてどう?

安達:遠い記憶のような…でも、やってることはそんなに変わってない。十数年前のデータとかをたまに引っ張り出してきて、ちょっと加工して使ったりとか、いまだに違和感なくやってたりもするんで。思い起こすと何か本当にじっくりやってきたなっていう感じがします。

長江: 改めていろんなステップを踏んで、ここに辿り着いてるっていうことは分かるよね。

安達: うん。あんまり、思いっきりジャンプもしてないし、沈んでもいないっていう。

長江: 沈んでないっていうのは大きいよね。そして、かつて高畑さんが「これ作って君たちこの先どうすんの?」って心配してくれてた状況が、今終わりつつあるっていうかさ。実は高畑さんが想像していた以上の展開がAC部を待ってたっていう。

AC部と語る20年〜更新され続ける最盛期〜 |DIRECTIONS代表 長江 努対談企画 第1弾 ゲスト『AC部』#04『AC部20周年記念公演 AC EXPO'85』
『AC部20周年記念公演 AC EXPO’85』(撮影:長江 努)

板倉: そうですね。要所、要所でディレクションズさんが社会と繋いでくれてるなっていう。やっぱり自分たちだけだと社会と繋がっていない感覚は凄くあって、それがメディアの人と繋がれて、何かそっちの世界を覗かせてくれたみたいな感覚はありますね。

安達: 勝手にやってるようによく見られがちなんですけど、ホントに勝手にやってたら、もう自然消滅してるというか、自由にやってるだけではやっぱりずっと続けては来れなくて。だから社会と繋がってるっていうことが、めちゃくちゃ大事だっていう。

長江: そんな風にお役に立てているのであれば、ボクもプロデューサーとして光栄です(笑)

 

 

「もっと売れたい」AC部が目指す映像作家って?


AC部と語る20年〜更新され続ける最盛期〜 |DIRECTIONS代表 長江 努対談企画 第1弾 ゲスト『AC部』#04

長江:7月13日(土)にあったAC部結成20周年イベントで、「もっと売れたい」って今後の目標を言ってたじゃない?それはそれで1つとして、それぞれの目標みたいなものは何か他にあるの?

安達: 何か面白いことを思いついて、またウケたい、っていう繰り返しですかね。ホントにどこまで行けるかっていう。

長江: このタイミングで安達くんは子どもが生まれたじゃない?自分の子どもが自分の作品を見ることこともあり得るよね。

安達: そうですね。もう、イルカくんの絵本を見て笑ってますね。洗脳は始まってる(笑)

AC部イルカのイルカくん『イルカのイルカくん』ロクリン社/AC部
『イルカのイルカくん』(絵と文 AC部/ロクリン社刊)

長江: 洗脳、始まってるんだ(笑)

安達: 身の回りは結構イルカくんグッズだらけで、しまじろうよりも自然に目に入ってくる環境なんです。

長江: しまじろうよりもイルカくん(笑)

安達そう(笑)

長江: 板倉くんは?

板倉:AC部の20周年イベントで言った話でもあるんですけど、今って視聴者のカテゴリーの分断が凄いあるけど、その各カテゴリー同士の交流が全然ないと思っているんです。何かそのカテゴリーごとにマウントを取り合ってる感じもちょっと受けたりして。インスタの人たちはサブカルというか、オタク寄りの人とかを下に見てたりとか、なんとなくそう感じるんです。何かそういうのに関係なく、各カテゴリーそれぞれに爪痕を残したいって言うか、幅広くいろんなカテゴリーの人たちに評価されるような作家になりたいなって思ってます。

『AC部20周年記念公演 AC EXPO'85』
『AC部20周年記念公演 AC EXPO’85』(撮影:長江 努)

長江: 何か戦略はあるの?

板倉: やっぱりタイミングは大事なものだなと思っていて、タイミングとその時に出せる自分たちのコンディションなのかもしれないですけど、何かそれが重なった時にそのジャンルにすっと受け入れられるっていうことを今まで体験してきていて、「あ、この人たちに認められたんだ」みたいな感じが凄く嬉しいんですね。何かそれをやっていきたいかななんて、今そんな感じなんです。

『AC部20周年記念公演 AC EXPO'85』海女ゾネスの女王役(声&歌)の藤原 美穂さんとAC部
『AC部20周年記念公演 AC EXPO’85』海女ゾネスの女王役(声&歌)の藤原 美穂さんとAC部さん。(撮影:長江 努)

 

 

ディレクションズHPイラストの制作秘話


DIRECTIONS15周年イラスト

AC部さんに制作していただいたディレクションズのHP、トップページのイラストはどのように制作されたのでしょうか?

板倉: 巨大な男に乗っかってる人たちはボクが描いて、メインの巨大な男は亨が描いたやつです。

安達: あの巨大な男も一応ベースは元々あって「デジタルスター」のやつですね。 ディレクションズの15周年っていうことで考えると、あまりにも幅が広くてうまく表現しきれないなと思って。すごい個人的なAC部との繋がりを中心に、我々なりの表現でディレクションズマンみたいのを作ろうかなと。頭は一応ディレクションズの「D」なんですよ。
※『デジタルスター』…2002年にNHK「デジスタ」の年間グランプリを決める「デジスタアウォード」のプレイベント用に制作した来場者参加型ゲーム「デジタルスターツアー DVD奪還作戦」の映像。

長江: ボクも敢えて注文をつけなかった。これだけ長い関係があるので、もう何が来ても受け止めようと思って(笑)

安達: そういうことなんだろうなと思って(笑)

長江: うん、そうそう(笑)

【#01〜03の記事はこちら】
#01 『AC部と語る20年〜知られざる黎明期〜』
#02 『AC部と語る20年〜賛否両論の過渡期〜』
#03 『AC部と語る20年〜夜明け前の転換期〜』


写真・テキスト:木塚 幸代(DIRECTIONS)

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